2002年度谷和原村手話奉仕員養成講座カリキュラム作成<第5回>4月11日カリキュラム報告
◆今年度は、全23回の講座になったので、早々と4月11日にスタート。
第1回講習会の報告です。
19:00開講式 ; 平成14年度開講にあたっての挨拶(ろう講師)
19:10説明 ; 平成14年度講座カリキュラムの考え方とテキストについて説明(聴者講師=私)
カリキュラムは厚生労働省が示した「手話奉仕員及び手話通訳者の養成カリキュラム等について」(厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長通知 平成10年7月24日 障企第63号)が元になっています。
<手話奉仕員養成> | |||||
1年目 | 手話奉仕員養成講座 | 入門課程 | 35時間 | 到達目標 | 相手の簡単な手話が理解でき、手話で挨拶、自己紹介程度の会話が可能なレベル |
養成目標 | @ 簡単な日常会話を行うに必要な手話語彙(目標語彙数300語)を習得する。 | ||||
A 簡単な日常会話を行うに必要な手話表現技術を習得する。 | |||||
B 手話でコミュニケーションする楽しさを習得する。 | |||||
2年目 | 〃 | 基礎課程 | 45時間 | 到達目標 | 相手の手話が理解でき、特定の聴覚障害者とならば、手話で日常会話が可能なレベル |
養成目標 | @ 手話で日常会話を行うに必要な手話語彙(目標語彙数:300語に新たに300語を追加)を習得する。 | ||||
A 手話で日常会話を行うに必要な手話表現技術を習得する。 | |||||
B 手話の基本文法を習得する。 | |||||
合計80時間 ※谷和原村手話講習会では、1年目;1回2時間×20回=40時間、2年目;1回2時間×23回=46時間の講座を組んでいます。 |
このように手話奉仕員養成は、「聴覚障害、聴覚障害者の生活及び関連する福祉制度等についての理解と認識を深めるとともに、手話で日常会話を行うに必要な手話語彙及び手話表現技術を習得する。」ことが目標になっています。
<手話通訳者養成> | |||||
3年目 | 手話通訳者養成講座 | 基本課程 | 35時間 | 到達目標 | @ 対象の聴覚障害者の理解を確認しながらであれば手話通訳が可能なレベル |
A 申請手続き等手話以外のコミュニケーション手段が付随する場面で通訳が可能なレベル | |||||
養成目標 | @ 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:600語に新たに300語を追加)を習得す る。 |
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A 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な表現技術を習得する。 |
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B 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な基本技術を習得する。 | |||||
4年目 | 〃 | 応用課程 | 35時間 | 到達目標 | 一部難しい内容は聴覚障害者の理解の確認が必要であるが、日常場面の手話通訳は基本的に可能なレベル。 |
養成目標 | @ 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:900語に新たに300語を追加)を習得する。 | ||||
A 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な表現技術の応用を習得する。 | |||||
B 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な基本技術の応用を習得する。 |
4年目 | 〃 | 実践課程 | 20時間 | 到達目標 | 聴覚障害者の理解力に応じた手話通訳が可能なレベル |
養成目標 | @ 手話通訳に必要な手話語彙(目標語彙数:1200語に新たに300語を追加)を習得する。 | ||||
A 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な実践的表現技術を習得する。 | |||||
B 習得した語彙を用いて手話通訳に必要な実践的基本技術を習得する。 |
※茨城県手話通訳者養成講座Tコース(基本課程)では、1回2時間30分×30回=75時間の講座を組んでいます。
※茨城県手話通訳者養成講座Uコース(応用・実践課程)では、応用課程分として1回2時間30分×20回=50時間の講座を組んでいます。
※茨城県手話通訳者養成講座Uコース(応用・実践課程)では、実践課程として1回2時間30分×10回=25時間の講座を組んでいます。
◆そして、毎年1月〜2月にかけて行われる茨城県登録手話通訳者試験に合格された方が、県の認定手話通訳者となるのです。確か、4年目の応用・実践課程受講中でも受験可能だったように思いますから、最短で4年間で登録手話通訳者になれることになります。皆さん頑張りましょう。
◇それにしても、いわゆる「通訳活動」というか、「実践の場」を踏むことが最短でも4年間はできないことになります。これは手話通訳という行為が聴覚障害者の権利と命に関わる重要な活動であることが社会的に認められてきたことに他なりませんから、とても素晴らしいことであるとは思うのですが、一方で手話通訳者の「養成」という視点に立つと「試験に合格するまで一度も実際の通訳をやったことがない」というような状況も生み出しています。私の担当するUコース実践課程では、模擬通訳練習等も行うのですが、なかなかその「練習の場」を確保するのが難しいというのも事実です。
◆さらにこの先には、国の資格としての手話通訳士試験があるワケですね。受験案内には「年齢が20歳以上(一次試験日現在)である者。(手話通訳経験が少なくとも3年程度は必要です。)」とありますから、ここまでに合計7年程度係る計算になります。
◇士養成講座を担当した13年度も茨城県からの士合格者はゼロでした。全体の合格率が大変厳しくなっているのは事実ですが、なかなか茨城のレベルを上げられないのは、トップレベルの指導力の問題というより、むしろ茨城県全体の養成のあり方に原因があるように思えてなりません。このあたりはトップページの「進化する日本サッカー」のところで書いています。その一方で手話通訳士の待遇改善も一向に進んでいません。茨城県下の公的な機関に手話通訳士を設置させる運動も同時に必要ではないかと考えています。
19:20受講アンケートの実施 ; 今年度は、ここで受講生の皆さんにアンケートに答えていただきました。その目的は、4つあります。
<休憩>
19:40教材アンケートの実施 ; 会話練習に使う会話文を「会話してみたいシーン」ということで受講生の皆さんに考えてもらいました。
<教材アンケート>
場 所 | 時 間 | 登 場 人 物 | 背 景 等 |
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20:30自己紹介文の作成 ; 会話例文をテキストにまとめる時間が必要だったので、次回からは取りあえず「自己紹介」の手話表現をビデオ撮りすることにしました。
20:50NHKテレビ「みんなの手話」(4月6日放映第1回)より”手話オンステージ”のコーナーの砂田アトムさんと河合ゆみ子さんの「指輪」のコントを見ました。