<2003年2月8日(土)大会前日・下見の報告>

鹿島は遠かったぁ〜。受講生のMさんは、毎週ここよりさらに30分遠い神栖町から大穂公民館へ通ってきていたそうで、頭の下がる思いです。

前泊してホント良かったと思う。通訳者にとって現地に時間どおりに行くのは意外と神経を疲れさせるものです。今回の実習に当たって、遠隔地での実習ということに実はかなり不安を感じていました。受講生の判断に任せたものの「車の渋滞で遅れる人がいたらどうしようか?」とすごく心配していたのです。結局、実習生は地元Mさんの家に前泊し、前日の下見も一緒にすることができました。僕は4,725円也を払って、会場至近の「鹿泉クラブ」っていう住友金属の保養所に前泊しました。ある意味受講生にも負担を強いることになったわけですが、県のろうあ者大会ということで、僕も会場のセッティング(位置・音響・照明)や当日の段取りに非常に不安がありましたので、前日の準備に顔を出せたことはとても良かったですし、朝、受講生&自分が遅刻する不安からも解放されてホント良かったです。

大きな大会では会場下見は必須だね。19:30ころ現地に到着。通訳者養成講座(13:30〜17:00)で疲れ果ててるところに2時間の運転はキツかったぁ。それは実習生も同じだったと思う。早速会場の下見をさせてもらう。

1.意外と理事者席が前に出ていて、立ち位置が難しかった。
 今回は、演台の下手(しもて;客席から舞台に向かって左側)に陣取る理事者席に向かっての通訳。客席に背を向けることになるので、演台より前には出たくないのだが、意外と理事者席が客席側にせり出していて、立ち位置を決めるのが難しかった。緞帳(どんちょう=幕)の真下は危険なので、立たないように注意。
 舞台が大きいので、何枚目の袖幕(そでまく)から出てくるかも決めた。一番前からだと待ってる人が会場から丸見えになってしまうので、2枚目の幕のところに隠れることにする。最終的な立ち位置は明日の朝決めることにして、今日のところは、幕の後ろから実際に歩いてみて、交代のリハーサルをやってみる。
 最初にやったSさんはやっぱりパタパタ慌ただしく出てきた。「もっと落ち着いて歩こう」と指示。次の人が来たら、ほんのちょっとだけ先に退くようにすると同じ場所に立ちやすい。通常は肩をたたいて交代を知らせるけれど、今回は左前から交代者が歩いてきて見て確認できるので、交代者が着く直前に退くようにする。
 実はこの交代方法について、あとで批判もあった。当日、ある通訳者から「交代の仕方が失礼だ!」と受講生が怒られたらしい。当日のお昼に読み取り通訳に入っていた士仲間に意見を聴いたが、「前任者がちょっとだけ先に退くのがベター」と僕と同意見。あるいは交代のタイミングが細かかったことで怒られたのか? 基本的に演台にあいさつする人が向かうのと同タイミングで交代に出て行くようにと指示してあったのだけれど、どうだったかな? あと、交代で失礼なことって何だろう? どなたか気付いた点があったら教えてください。
2.交代のタイミングについて
 来賓通訳を担当する地元の通訳者と会えたので、早速、交代のタイミングを確認。中央の通訳は「一人ずつ交代」だが、来賓通訳は、数名ごとに交代することが判った。
 交代のタイミングを書き写させてもらった。中央の通訳が一人ずつなら、こっちも「一人ずつ交代」で良いように思う。
3.司会者原稿について
 パソコン要約筆記の安本さんがいたので、司会者原稿が届いていないか確認。「届いたよ。持ってるけど、紙に出力してない。パソコンの中。」とのこと。早速、パソコン開けてもらって、4名の担当者で読ませてもらった。その結果「来賓挨拶」が3名(知事代理、鹿島市長、身障連佐川さん)であることが判明。これだけでも大きな成果だ!
 そのほかにも来賓紹介の来賓者名や、「祝電」があること、なども判った。安本さんが親切にもフロッピーに原稿をコピーしてくれたので、実習生はそれを借りていくことができた。
 今回は、OHP要約筆記の担当者とは連携できなかったが、このように情報保障グループが相互に連携して事前資料を融通し合うのはとてもいいことだと思う。大会実行委員側も同じ資料を手話・パソ通・OHPの3つに配るより窓口を一本化できて良いのではないだろうか。

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 だいたい1時間くらいで、下見切り上げ。現地の実行委員はまだまだ作業中。地元のMさんも残って最後まで手伝うことに。彼女については、地元なので是非大会で実習をと考えたが、よく考えてみると実行委員からすれば大きな戦力が「実習に取られちゃう」わけで、ちょっと複雑な心境。でも、やっぱり鹿島でのろう者大会ってそうしょっちゅうある訳じゃないだろうから、ここで実習できることは今後の大きな財産になると思う。

前日夜はとにかく休め。ホントはこの後受講生と晩飯食いながらちょっと話しでもしようかなと思っていたのですが、Mさんが居残りになった関係でなんとなく「食事に行こう」という話しにならず、一人で近所のバーミヤンで寂しく食事しながら、この原稿を書きました。翌日の朝食をカスミで買い込んで宿に戻ってチェックイン。パソ通の安本さんと同じ宿だったので、あれこれ話したいなと思っていたのですが、講座+運転+下見でぐったり疲れてしまい、部屋にたどり着くとバタンキューで寝てしまいました。ところが夜中の3時に目が覚めてしまって、さらにグッタリ。やっぱ僕も緊張していたようです。(安本さんもなかなか寝付けなくて正味2時間くらいしか寝られなかったそうな。) 実習生たち大丈夫かなぁ〜?と思いながらもう一回寝ました。

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