木のつぶやき | |
2002年12月9日(月) |
2003年2月23日(日)午前10時から下館中央公民館で研修会講師やります!
1.唐突ですが、来年の2月23日(日)午前10時から12時、下館中央公民館で「通訳者研修」の”講師”を担当することになりました。
・テーマは、「読み取り、要約のコツ及び技術」です。
・僕は、士仲間のBさんからこの話しを打診されました。その時僕はこう答えました。
「菊池さんといろいろ話して、改めて「ろう者の願いを実現する手話通訳」ということをあれこれ考えています。ですから「講師」といっても地元のろう者とともに創り上げるような専門研修会ができるのであればお引き受けしたいなと思います。」
・なんともはや、キザなセリフで、ゲロゲロって感じです。
・ですが、取りあえず昨年僕もスタッフを担当していた「手話通訳士養成講座」の受講生Sさんに電話して、”地元のみんなと一緒に研修会の準備やりたいんで、12月21日(土)11時から大穂のサイゼリアで打ち合わせやりましょう。いろんな人に声かけてもらえますか?”とお願いしました。
2.読み取りのコツ及び技術って何だ?
・今段階でおおざっぱに考えている研修のイメージは、地元ろう者のお話しを(1)シャドウイング、(2)どんなことを伝えようとしているのかをつかむ、(3)逐次通訳に挑戦、ということをやってみようかなと考えています。
・取りあえず、地元のろう者・ろう協に協力をお願いして、できれば「事前に手話のビデオ撮り」したいね。その上で当日もご本人に来ていただいて、読み取り学習やってみたい。
・そいでもって、そのビデオで「研修会の事前研修会」を県西支部としてやってみて、(1)〜(3)をやって、正解作りをやるのだ。当然分からないところが出てくるから、ご本人にもご協力いただく。また、他のろう者にも相談する。
・その時、注意しなければならないことは、日本語としての意味(通訳後の日本語)にあまり拘らないことだと思っている。誤解を受けそうな言い方ですが、要するに「ろう者の思い(手話)を伝える」事を第一に考えて、ろう者に「日本語の解説(音声語の解答)」を求めすぎないことだと思います。
3.読み取りのコツより、ろう者と共に歩くためのコツをつかむきっかけに!
・僕は先日、通訳者養成(実践)の準備打ち合わせで、講座終了後のサイゼリアで5時間おしゃべりしました。僕自身、一方で「読み取り学習」やりながら、もう一方で「講座準備の議論」してる状態で、最後の方は、手話見ても脳の言語野がさっぱり回らず、何度も「えっ?何て言ったの?」と聞き返してました。
・この時間の中から感じたことは、「読み取りが上手になる」っていったいどういうことだろうか?と思ったのです。どういうことかというと、僕は相変わらず菊池女史の手話を上手いこと読み取れなくて、しばしば「音声対応手話に言い直してもらって」やっと理解していたのですが、気持ちの上では、だんだん複雑な内容や菊池さんが深いところで考えている気持ちなどが、ぼんやりと分かってくるようになったのです。
・ちょっとまたキザですが、「読み取りの技術(コツ)より、ろう者と聴者が共感できる生き方(存在の仕方)」みたいなもんが一番大切なんじゃないでしょうか?
・そうすると今回の研修会の目的は、「読み取りのコツ」をつかむと言うより、地元のろう者の気持ちを、地元の通訳者達がぎゅっとつかめるようになるきっかけ作りをすることのような気がしているのです。「そんなこと、いっつも努力してます! それでもなかなか読めないから苦労してるんです!」って怒られそうですが、今の通訳者養成(実践)でも、「あなたの手話、ろう講師に届いてませんよ」と指摘することが何度もあります。読み取りにおいては、「あなたがろう者の手話を読み取りたいという強い思いが、ろう者に伝わらなければ、恐らくろう者の手話はあなたのところには届かないだろう」と思うのです。
・なんか新興宗教の説教のようですが、通訳の必要に迫られて「ろう者の手話を読み取る」のではなくて、共に歩む仲間として「ろう者の思いを受け止める(汲み取る)読み取り通訳」、そんなことをこの研修会の準備を通じて、県西の仲間達と共に、これからボチボチ考えていきたいと思います。
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