新聞切り抜き帖
2002年7月30日(火)朝日新聞朝刊
避難所に手話通訳 派遣団体と協定−板橋区
大震災・・・災害時でも聴覚障害者に「安心を」
板橋区は29日、区内の手話通訳者の団体との間で、「災害時における手話通訳業務に関する協定」を結んだ。大地震などの災害時に区の要請を受けて、手話通訳者を避難所などに派遣し、聴覚障害者への情報提供などをする。都内の自治体でははじめての試みになるという。
区と協定を結んだのは板橋区手話通訳派遣事業運営委員会。板橋区聴覚障害者協会と区に登録した手話通訳者とで組織されており、手話通訳者の派遣事業をしている。
登録している手話通訳者は38人。普段は聴覚障害者が区内の買い物や区役所での所用に行く際に派遣され、昨年1年間では2163件の利用があった。
今回の協定締結では、災害時に区の要請で派遣され、避難所で、食事の配給や被災状況などについての情報提供や区が必要と認めた手話通訳の業務をする。費用は区が負担する。
阪神大震災で被災した聴覚障害者が、声が出せなかったために発見が遅れたり、避難所でもマイクロホンの声が聞き取れず不安を感じたケースが多かった−そんな報告を受けて、区が関係団体と話し合いを進めてきた。
区内の聴覚障害者は1700人。高齢者や、重複した障害を抱えている人も少なくない。
区防災課は「通訳がいるとわかれば、避難所でも安心して利用してもらえるはずです」と話している。
▲阪神淡路大震災からもう7年半が経つ。今年は台風による水害が各地から報じられているけれども、大地震や風水害が発生した場合の聴覚障害者を取り巻くサポート体制の整備は進んでいるだろうか?
▲板橋区聴覚障害者協会は、たましろの郷支援でも区協会独自の後援会をいち早く立ち上げ、強力なサポートを長期に渡って続けてきた。その板橋区で「災害時における手話通訳業務に関する協定」締結とのこと。優れた協会は、常に鋭いアンテナを張り、最も緊急性の高い対策を次々と打ち出していくのだろう。大いに見習いたいと思う。
▲茨城ではどのような備えがなされているのだろうか? 大きな地震でも発生した場合、原子力の東海村や生物科学研究の筑波学園都市など茨城のかかえる「不安」は「見えない不安」が大きいように感じる。
▲なかなか組織だった行動はできない私だが、取りあえずこの記事を現在担当している茨城県手話通訳者養成講座Uコース(つくば会場)の聞き取り表現教材としてみたいと思う。合わせて「災害時のろうあ問題」を受講生と一緒に考えてみたいと思う。
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